象徴的な海上鳥居
宮島(正式名称:厳島)は広島湾に浮かぶ小さな島で、何世紀にもわたって聖地とされてきました。もっとも有名なのは厳島神社の大鳥居で、満潮時には海に浮かんでいるように見えます。クスノキで造られた高さ16メートル超の朱色の鳥居は、日本でもっとも多く撮影される建造物のひとつです。干潮時には干潟を歩いて鳥居の真下まで行くことができ、海越しに眺めるのとはまったく異なる体験になります。鳥居は2022年末に完了した修復プロジェクトで新たに塗り直され、背後の森の緑を背景にひときわ鮮やかな朱色が映えています。
厳島神社と潮の舞台
厳島神社はユネスコ世界遺産に登録されており、日本のどの神社とも異なる構造を持っています。本殿と回廊は干潟の上に柱を立てて建てられ、満潮時には大鳥居とともに建物全体が海に浮かんでいるように見えます。神社の起源は6世紀に遡り、現在の形は12世紀に平清盛が整えました。特筆すべきは水上に建てられた能舞台で、日本で唯一のものです。潮の満ち引きによって同じ場所がまったく違った表情を見せるため、異なる時刻に訪れることをおすすめします。
野生の鹿と島の雰囲気
奈良と同様に、宮島にも野生の鹿が生息しており、通りや海辺を自由に歩き回っています。人間に慣れていておとなしいですが、食べ物や紙類は注意して守りましょう。フェリーターミナルから神社に向かうメインの参道表参道には土産物店や屋台がずらりと並んでいます。名物はもみじ饅頭で、もみじの葉の形をした小さな焼き菓子にこしあん、カスタード、チョコレートなどが入っています。焼きたてを提供する店もあります。涼しい季節には広島湾の焼き牡蠣も人気で、海沿いの屋台で味わえます。
弥山登山
神社周辺以上の体験を求めるなら、島の中央にそびえる標高535メートルの弥山がおすすめです。ロープウェーで途中まで上れますが、山頂への最後の区間は徒歩です。古木と苔むした岩のなかを歩く登山道を進み、山頂に着くと瀬戸内海と周辺の島々を一望する展望台が待っています。弥山は聖なる山とされ、登山道沿いにはいくつかの小さな寺や堂が点在しています。そのひとつには、弘法大師が1,200年以上前に灯したとされる消えずの火が今も燃え続けています。登山の難易度は中程度で、ロープウェー駅から往復約90分と、ほとんどの来訪者にとって無理のない行程です。
広島からのアクセス
宮島は広島からもっとも行きやすい日帰りスポットのひとつです。広島駅からJR山陽本線で宮島口駅まで約25分。そこからJR宮島フェリーで島まで10分で渡れ、ジャパンレールパスでカバーされています。松大汽船が運航する別のフェリーも同じ桟橋から出ています。島は徒歩で十分に回れるコンパクトさで、多くの来訪者は3〜5時間を過ごします。島内の旅館に一泊すれば、日帰り客が去った後の静かな宮島を体験できます。ライトアップされた大鳥居と、暗闘のなかほぼ無人の通りは格別です。